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社長ブログ

2023.01.04

2023年年頭所感

明けましておめでとうございます。

三年ぶりに行動規制がない年末年始で、空港や新幹線なども大混雑の様相でしたが、それでもコロナ前と比べると、観光地や百貨店などの人出は8割くらいという声が多かったようです。

これは単に感覚値ということではなく、コロナ前のインバウンドの観光客の46%を占めていた中国人観光客が殆ど戻っていない事を考えると、ほぼ正確な数値ではないかと思います。

その中国もゼロコロナ策を止め、今年は一気に経済活動を復活させていく中で、日本はそれをどの様に捉え、対応していくのでしょうか?

一部には中国人の爆買い復活で景気への期待という様な声もありますが、それを安直に歓迎する様な思考に流れていく事だけは止めて欲しいと思います。

昨年150円をつけた円は、米国経済の弱含みなどを考えても修正はしていくでしょうが、日本円=日本が弱くなってしまったことは間違いのないところで、爆買いでの景気浮上を喜んでいる間にも、それどころではない富裕資産が、土地や資源を買い漁っていくでしょう。

一方、GARFAMと言われる米国のビックテックは、独禁法や納税の問題なども含めて衰退の可能性も言われたりもしていますが、データの世界でも米中の争いで、日本は完全に後れを取ってしまっています。

日本が停滞し、どんどん安くなっていっている間に、不動産などの有体物だけではなく無体物でも後れをとって来た中、NFTというデータに知財を絡めることができる技術にも期待がかかる所ではありますが、この分野の方には失礼ながら、このプラットフォームでも日本がリードできるとは思えません。

という意味で、岸田首相が「新しい資本主義」と言われている事を切に望みますが、日本が力を入れるべきは、その技術での勝負ではなく、その技術をどう生かすか?更には、何の為にその技術を使うのか?の設計であり、そうした理念からのプラットフォームづくりだと思います。

昨年はSDGs、ESG投資という感覚が一気に進み、そういう概念がない企業は評価されなくなってきて、慌てて欧米が扇動するルールに乗って展開をしていますが、そもそもはパリ協定で決まったからではなく、精神性から来る日本の強味から考えていけば、最も本質的な取り組みは日本から生み出していけると思います。

昨年末に、ESG投資の為の情報開示基準をつくるという国際サステナビリティ基準審議会が、気候変動の次の重要テーマとして、「生物多様性」「人的資本」「人権」などを挙げたとの事で、また、こういう所が基準を決めて、それにすり寄って合わせていく事になるのが目に浮かびますが、冷静に俯瞰してみると、特に、”行き過ぎた資本主義”と言われる様になって以降の世界の流れは、本来、日本が強味として持っていた事ばかりではないでしょうか?

「生物多様性」一神教をベースに持つ国で、神がそれぞれの個性を生かして創ったと頭で理解するよりも、八百万の神の精神がベースにある我々日本人には体に浸透(神道?)しているのではないか?人権という問題についても同様に本来考えやすいのではないか?
そして、そんなところから考える人的資本、それらを生かしていく組織、地域、社会、育んでいく教育、そんな人達が生み出していく技術で、どの様にそれぞれの価値(それも自分のエゴからではなく、社会の一員としての役割を果たすという意味での価値)を生み出していく様にできるのか?を設計していくことが、日本の強味を最大に生かした展開であり、日本にしかできない事なのではないか?と思います。

昨年1月に丹後でATARIYAをオープンした際には、まだ社内でもウエダ本社が地域展開をする意味は理解されていなかったと思いますし、私自身も想定以上にその展開は一気に加速してきました。

今年は六十干支では、「癸卯」で、癸は一つの物事が収まって次の物事へ移行していく段階で、卯は繁殖する、増えるという段階だそうですが、ウエダ本社としても今年は更に地域への展開を、新たな価値に移行させて、地域でその価値を繁殖させていきたいと思います。

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