BLOG

社長ブログ

2017.02.12

土作りから

今週は土について考えさせられました。

火曜日には、北海道の洞爺湖にある佐々木ファームの村上夫妻のお話を聴きました。

佐々木ファームさんは大地の花咲きという映画にもなったのですが、大地君という当時4歳の息子さんが突然死をされたことから、全ての命を大切にすること、感謝することを実践され、結果的に、虫や雑草、菌なども殺さない完全無農薬の農法を確立していかれた奇跡の農家なのです。

奇跡の、というと、木村さんの奇跡のりんごを連想しますが、全く学ばれたわけではないのに、同じ様な体系になっていたそうです。

そのお話は驚く事ばかり、全ての命を殺す事の無いよう、全く放置状態にした結果、農地は雑草だらけ、作物は虫がつき放題、食べ放題となったそうですが、その中でも1割ほどが、虫にも食べられず残っていたそうで、それを出荷していくと、次々に店の方から、その違いに驚く声が上がり、全然腐らないから、どんな防腐剤を使っているのだ?というクレーム?まであったそうです。

よく、葉物野菜などは、虫が食べている方が無農薬の証で安心だと言いますが、それももっと追求していくとそうではなく、本当に良いもの(部分)は虫も食べないとの事でした。

生態系というものは凄いもので、雑草というものは、その土地であったり、その横に植えているものに必要な成分を補完する為に生えてくるそうで、全てバランスが取られており、虫が食べるというのも、バランスを取っているので、その必要がないほど、良いものは虫も食べないという事でした。

そんな村上夫妻の想像を絶するそれぞれの経験からと、自然界からの学びのお話は、経営であれ何であれ、全てに共通する話だと思います。

私も、自然の摂理に従う事が一番正しいと思っているのですが(思うだけでなかなか実践できてませんが)、ミニトマトは幾ら一所懸命育てても大玉トマトにはならないけれど、会社(組織)でそんな事をやってないでしょうか?という村上さんの問いかけには、ハッとさせられました。

今週のクオリア朝食会では、これだけ両極というよりも三次元的?に多才な先生はおられないと思う、現在は京大大学院教授の山口先生から”イノベーションはなぜ途絶えたか?”というお話を聴きましたが、こちらも土壌に関しての問題でした。

イノベーションには、知の創造と知の具現化の連鎖的営みが必要であるとの事ですが、暗黙知であり、夜の科学とも言われる土壌の中での研究を重要視しなくなった、日本の国、教育界、企業に対しての危機感を訴えておられたのですが、農業の話から物理、科学の話まで、効率や目に見える成果ばかりを追いかけてしまい、土壌、土作りを疎かにしてしまった事が、全ての問題の根源なのだと思います。
最後はいつもの働き方変革への警告となりますが、目に見える対策だけではなく、これも正に組織の風土が大事なのです。
どうして、目に見える事、指標化された数値での上辺の比較、それに対しての対策やスキル取得にしか目がいかない社会になったのでしょうね。
土作り、人作りから、考え直していきたいものです。

Category

Tag