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社長ブログ

2017.07.16

残念な結果にならない為に

週末三連休と京都では祇園祭が重なった今週は、毎年この時期に開催される公園遊具メーカーの代理店会で東京でした。

その中での講演会は、電通のビジネスクリエーションセンターのディレクターの方でしたが、意図的に講演会というスタイルではなく、スタッフの方と対談形式で事例中心でされたお話は、大変分かりやすいものでした。

設置者、運営者と利用者の意識のギャップという事においては、公園というものはある意味最も残念な場所となっており、日本の殆どの公園が、地域の役に立っていなかったり、むしろ危険な場所となっているケースも多い状況だという事でした。

何故そんな残念な事になるのでしょう?

ハコ、モノ行政と言われてきた様に、行政というのは、とかくお金を確保して、或いは借金して器を作ってきました。

しかし、世の中の状況、人の関係性、住民の意識なども大幅に変化し、公園やパブリックスペースの在り方も大きく変わっている筈なのです。

子供にとってノビノビと遊ぶスペースである筈が、ボール使用禁止、バーベキュー禁止、花火禁止など、駄目な事ばかり。

近所に保育園ができるのも迷惑だという世の中ですから、”地域住民の為”に仕事をする役所では、クレームを放置できず、結果的には、何もしない方向に動き、挙げ句の果てには、遊具も危ないと使用禁止になったりもしています。

これは決して行政だけのせいではありません。

何故そうなるか?を考えると、何でもそうですが、一方通行の話ではなく、国民、地域住民一人一人の意識も変えていかないといけない事に気づきます。

色々な事がそうですが、”管理型”というのが通用しなかったり、弊害の方が多くなっているのです。

企業の課題、そこからくるオフィスの課題も全く同じで、お金やモノを追い求めなくなった時代、そのマーケットに対する企業の閉塞感、そこで働く人の価値観の変化、リーダーシップの欠如、答え、マニュアルのある教育で育ってきた人への指導などなど、やはり管理型での限界は明白で、そこをどの様にするかで皆もがいているのです。

スタバを中心にカフェなどで仕事をする人が多い様に、仕事場=会社ではなく、家か会社か、プライベートか仕事かという垣根も変わっていっています。

という中では、公共スペースやオフィスでも、使う人の視点で考えていかないと、全くの本末転倒という”モノ”が出来上がり、従来型の頭で、良かれと思ってお金もかけて作ったモノが、誰も使わない、喜んでいないという事になってしまうのです。

ウエダ本社では昨年、約一年がかりで社員のワークショップを繰り返し、それを形にしてオフィスをリニューアルし、その見学者や勉強会も増えて来ていますが、そのリニューアルに”社長としての私の意見は一言も入っていません”と言ったりしているのは、物分かりの良いTOPを演じているのではなく、この様な時代背景というか、オフィスもそう変わっていかないといけないという事を表しているのです。

本当にその場所を使う人、その価値を分かっている人に任せていかないと、分かっていない人、価値の変化に気づいていない人が従来発想で管理をすると、とんでもない残念な事になっていくのです。

だからこそ今の時代、指示、命令、管理という系統ではなく、ダイアログが重要であり、ファシリテーターや、そのギャップを埋めていくインタプリター(通訳者)が重要になるのです。

そうそう!と思う方、なるほど!と思って頂いた方、半信半疑ながら今のままでは駄目だと思っておられる方、京都流議定書の三日目にお越し下さい。

管理者と使用者(利用者)とのギャップが見えてくると思います。

特に、”共創が生まれる空間のデザイン”というセッション3はそのものですし、アーバンピクニックというプロジェクトを行われている村上さんなどは、正に新しいパブリックスペースのあり方を示しておられる方です。

最後はいつも宣伝になってしまいますが、京都流議定書自体、そんな想いや展開が詰め込まれたものですので、ご容赦下さい。

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