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社長ブログ

2015.09.13

”けったいな奴っちゃ”を胸に

今週は、KYOCAでの京都ショコラボオープニングイベント、堀場最高顧問のお別れの会と、大きな事がありました。

ショコラボオープニングは、集客がしっかりできていなかったにも関わらず、用意した100名席は満杯で追加する盛況ぶりで、門川市長のご挨拶、KBS京都のテレビ取材など、華やかな形で迎える事ができました。

門川市長には5分程のご挨拶の中で、ウエダ本社が京都流議定書を行い、KYOCAというビルを展開し、ソーシャルの拠点としていく意味など、そこまでお話した事はないにも関わらず、的確に捉えて頂いていて有り難かったのと共に、いくら話してもピンと来ない人が多い中、本質を捉える目には驚きました。

ショコラボを行う意味をご理解頂いたり、応援しようとされる方々が集まっておられたので、勇気づけられましたし、京都ショコラボにとっても良いスタートとなったと思います。

翌9日にあった堀場最高顧問のお別れの会は、政治家か大スターか、国賓かでないと、こんな会はないだろうと思う程の素晴らしいものでした。

千玄室大宗匠の80年にも渡るご友人としての語り掛ける様なお言葉、そして伊吹文明元衆議院議長の、”政治家らしからぬ”全く何も無しで10分程にも及ぶ30年の経緯を語られた挨拶は、感情がこもったもので、目頭が熱くなりました。

私も、血の繋がりも無い方で、亡くなった後もこれだけ、何か空虚感を感じるのは初めてです。

その理由の一つは、どう考えても、あれだけユニーク(唯一無二)で、あの様に大局からものを見て、真逆の意見でも飲み込める懐の深さを持っておられる方などおられないので、今後益々難しい局面を迎えていく中、京都のみならず日本にとって大きな支柱を無くしたと思うからです。

個人的にも、17、8年前からお付き合いさせて頂いていた中で、簡単に厚かましくご相談に行く事は控えており、ウエダ本社に来て倒産危機に直面した際に一度、京都流議定書の件で困った際に一度、そして他の方の相談で二度の計四度だけでしたが、それでも本当に困れば最高顧問に相談できるという気持ちを何処かに持っていた様に思いますし、それだけに、心の拠り所を失った様な空虚感があるのだと思います。

素晴らしい弔辞をされた伊吹文明さんとそれだけ懇意でありながら、民主党議員の後援会長も並行して務めておられたり、日本の為には、共産党がしっかりしないと駄目だと、共産党の議員さんに発破をかけたり、党だとかというレベルではなく、イイものはイイ、健全な野党ではないですが、健全なる対立軸や反対意見がないといけないというスタンスなど、いつも考えておられるレベルが違っていました。

”けったいな奴っちゃ” 私の誇りは、堀場最高顧問が私の事をこの様に紹介頂く事でした。
標準語で言えば、”変わった奴だ”になるのでしょうが、全く無趣味で自分でも面白くないと思う私を”けったいな”と仰って頂いていたのは、表面上”面白い”という意味ではなく、他人と違うというユニークという事だと思いますし、私にとっては最大級の褒め言葉でした。

同様に、社是にもなった”おもしろおかしく”も単におもしろく楽しいという意味だけではなく、もっと深いもので、人間の本質から来る言葉だと思います。

これについては、稲盛さんが盛和塾の中で、おもしろおかしい経営などあり得ない、と、公然と堀場さんの事を批判された事がありました。

ほんの三年ほど前ですが、その事も堀場さんはご存知で、その話に水を向けると、”何でアイツはあんな事を言いよるんやろうなあ。別に仲ええんやけどなあ”と苦笑いしながら仰ってました。

稲盛さんの事を”アイツ”と呼ぶ人など初めてでしたし、大物の関係を垣間見る事ができたのも、経営者の端くれとして、そんな一コマも高揚感を覚えたのを思い出します。

90歳で亡くなられた堀場さんは、その3倍ほど中身のある人生を送られたと思います。
それでも、”それまでは好きな事をやって生きて来たから、いつ死んでも悔いは無いと思って来たが、80歳を超えてから、まだまだ知りたい事、勉強した事が沢山あって、死にたくないと思う様になった”とよく仰っていました。

その話をしておられる映像が、お別れの会で献花を済ませた後の食事など、ふるまいされる部屋で繰り返し流されていましたが、そのメッセージを直接教えて頂いていた我々がもっと頑張らないといけないですね。

7,8000人(新聞発表では5000人)と思われた来場者の殆どが、本当に、惜しい人を亡くしたと思われているお別れの会などまず無いでしょうし、こちらもそんな想いの方が集まっておられたので、より素晴らしい会となったのでしょう。

90歳にもなって、まだ知りたい事だらけ、勉強したい事だらけ、そんな風に思える人でありたいし、そんな生き様を表せる生き方をこれから追い求め行きたいと思います。

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