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社長ブログ

2008.07.06

ウエダ再興記(43)~ 京都への思いと、京都の価値観

ウエダ再興記

私は元々、京都が好きどころか、嫌いでした。

それは他府県の方がよく言われる様に、排他的であるとか、閉鎖的であるとかという特殊性が、白黒ハッキリさせたい私の性格には合わなかったのです。

しかし京都で会社を経営してみると、”京都で商売するにはどうしたら良いですか?”と聞かれる事がよくありましたが、という事は、京都で何かを進めるには、我々京都人にはアドバンテージがあるのだと思う様になりました。

京都に少し興味を持つと、40歳を迎えるまで京都人でありながら、京都について殆ど知らずに育って来た事、しかし一方で、伝統産業では引継ぎ手がなく、その技術が途絶える危機にあるという事を知り、その馬鹿げた構図に、大きな問題意識を持ちました。
又、文化というと格式ばって入りづらいものになっているが、本来はそういうものではなく、その本質を知らしめる事が重要であるのに、中心におられる方々は、枠から出る事は難しいので、本当に大事な所が伝わってない様に思いました。

それなら、色々な所に出入りできる自分の立場を利用して、何か京都にできる事があるのではないか?
折角京都で70年近くも営業して来た会社なので、会社としても京都に向けて何かできないか?と考えたのが、京都流を興したもう一つの理由でした。

会社を再興するに当たっても、私は単にコストカットして黒字転換して終りではなく、あくまでウエダ本社を再び輝く会社にする為に入ってきたわけですから、黒字転換した後は、会社の付加価値、社会に対しての存在意義を作っていかなくてはなりませんでした。
その為には、京都の会社であるという事を何かに生かせないかと、ずっと考えていました。

会社の価値観を作る為に、私はよく、世の中のニーズに会社をどう合わせていくか、という事を考えます。
そういう方向を模索していくと、その展開が世の中の為にもなり、会社の為にもなるのです。
京都流も全く収益を得ず行っていますが、単なるボランティアではなく、会社の為に行なっていると言うのは、そういう理由からです。

サイトを展開していくと又、問題意識は膨らむばかりでした。
何故もっと早くから京都の背景的な事を教えないのか?という事については、京都市教育委員会が、ジュニア京都検定というものを作り、小学生から地元の事を教えて行く様にされました。
私は、大変素晴らしいと思い、当時の門川教育長の所に、是非ジュニア京都検定も応援するという立場を取らせて下さい、とお願いに行ったのですが、これが初めて現市長にお目にかかった時でした。
以来、本当に熱く、自分の損得抜きに、行動される当時の教育長に触れ、全ての問題の根元には、教育があり、それを何とかしていかないといけないのだと、教育にも大きな問題意識を持つ様になりました。

そんな展開をしていくうちに、京都の価値観というものが少しづつわかってきて、我々の様な中小企業こそが、その価値観を学び、京都の価値観で展開していくべきだと思うようになっていったのです。

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