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【レポート・後編】「ATARIYA Tango Innovation Hub」 OPEN EVENT

2022.01.11 開催

2022年1月11日。
1と2がそれぞれみっつずつ並んだこの日、ついに「ATARIYA Tango Innovation Hub」がグランドオープンいたしました。

前後編の2回にわけて、
オープン当日・レセプションイベントの様子をレポートいたします!
今回は後編!

ウエダ本社代表 岡村よりATARIYAの展開についてご説明した後は、3名の方にゲスト講演頂きました。

 -ソニーマーケティング株式会社 光成和真 様
 -株式会社eumo 新井和宏 様
 -一般社団法人Design Week Kyoto 北林功 様

お三方とも領域は違いますが、ATARIYAの今後の展開において一緒に進めていきたいパートナーの皆さんです。

デジタル技術を活用して地域を元気にする

ソニーマーケティングの光成様とは、2020年の京都市GIGAスクール整備のときにご縁をいただきました。

いまは公益社団法人 国際観光施設協会の中で「スマートシティ研究会」を立ち上げれ、
その研究会を介して「デジタルツール・サービスを活用していかに地域を盛り上げていくか?」
という切り口でご一緒しています。

ご紹介頂いたのは「LINKED CITY」構想。
人を中心にデジタル技術を活用することで、まちをイキイキさせ関係人口を増やしていく考え方です。

たとえば、LINKED CITY構想のうちの一つ、「まちじゅうホテル」という取り組みは
通常、ホテルの中に寝室・お風呂・食事処などの要素が詰まっていますが、客室を起点にまち全体で捉えます。

客室に備えられた大きなモニターでは、そのまちの観光ポイントやレストラン、温泉等の情報を簡単・適切に取得することができ、
各地へのアクセス方法などもモニターを介して検索することが可能です。
そうして向かった場所で、ホスピタリティあふれるスタッフがおもてなしをしてくれるのです。

なんでもデジタル化するのではなく、人の必要なところは人がやる

「まちを案内するガイド」から「会いに行きたくなるスタッフ」に、人員リソースは再構成&最適化する。

来訪者にはいち施設に留まらずまち全体を回遊してもらうことで、まちがイキイキするし、
「あのホテルがよかった」ではなく「この地域がよかった」と2度目・3度目の訪問につながり、気づけば関係人口となる。

ATARIYAはハードとしては、共用サテライトオフィス&コワーキング・地域情報発信スタジオでありながら
地域で活躍する方々の育成・チャレンジできる場にする。
LINKEDCITY参画企業と地域の方々が、リアル・オンライン問わずつながって地域課題解決策や新産業創出の仕掛けを考え出していく。

そして、まずは小さく与謝野・丹後エリアでチャレンジとブラッシュアップを繰り返して、大きな一手を作っていくことができるのではないでしょうか
と、お話くださいました。

 

お金を「幸せになるための手段」として再定義する

株式会社eumoの新井様とは長いお付き合いで、
ウエダ本社が毎年開催している京都流議定書(※)にも出ていただいています。
昨年の第14回では、なんと同じく今回お越しいただいた北林様と同じセッションでお話頂きました。

※京都流議定書(きょうとりゅうぎていしょ) とは、
これからの日本においては数値化できない価値が重要であり、
そんな価値が多く残されている京都を研究・発信していこうと、全国から各分野のフロントランナーを招き開催しているイベント。
第1回は2008年にウエダ本社創業70周年の記念事業として開催、
以後テーマを変えて京都の価値再発見と新しい価値創出を目指して毎年開催しております。

アーカイブ動画・過去の様子などはこちらから ▶ https://kyotostyle.jp/kyotoryu/

新井さまは、北海道はニセコ町よりオンラインでご講演くださいました!
「eumo」をニセコ町にてスタートするため数ヶ月前現地に入り、実際にコミュニティを築きながら進めておられるそうです。

今回は「そもそもeumoとは」ということと、それを地域で広める可能性や意義をニセコ町での様子を交えながら、お話しいただきました。
共感コミュニティ資本eumo(ユーモ)とは、
「幸せになるための手段」としてお金を再定義した新しい電子マネーです。

特徴は、
・お金を使う先が「好きな地域やお店」等、”共感”でつながる場所であること
・お金を使うときはサービスを受益するでなく「応援したい」「シェアしたい」等の想いが発生していること
・チャージから3ヶ月間使っていないと失効する、ためるお金ではなく循環するお金であること
詳細はこちらから ▶ https://currency.eumo.co.jp/#about

それぞれの共感コミュニティの中でめぐっていくお金なのです。
そして各コミュニティごとでお金を定義することができます。

たとえば、ウエダ本社もeumoをベースに「u coin(ユーコイン)」をはじめました。
u coinはウエダ本社の価値観に耳を傾け・共感していただいたパートナー企業様を加盟店に、
同様に共感してウエダにお仕事をお任せいただいたお客様にその金額の一部をucoinとしてお返ししています。

共感資本をきっかけに、民間主導で住民自治を築く

これが地域で展開されると、北海道ニセコ町では「NIKO(ニコ)」を始め
NIKOを使ってコミュニティ内で発生した決済の売上1%が地域の子どもたちの支援に使われるとのこと。

こういったコミュニティ通貨をつくる施策はeumoに限らず全国の自治体で起こっていますが、
どうしても自治体主導、補助金だよりところが多くそれが底を尽きると活動を継続できないのが課題。

しかしeumoは民間主導。

まちと一緒に活動するけれど自治体予算に頼らず、住民自治ができるように民間が主導します。
実際に核となるのは地域のコミュニティマネージャー。
コミュニティマネージャーを起点にコミュニティの共感資本の特色を決めたり、どういうお店を加盟店とするのか進めていきます。
特にニセコ町においては「集まったお金をどうしたら子どもたちの成長につながるか」まで議論しているそう。

eumoをベースにつくられた各コミュニティ通貨は全国に広まっていますが、
その枠を超えて相互に利用することができ、共感の輪も同時に広まっています。
いまでは1~2月に1つのペースで増えており、1月末には長崎・壱岐島eumoがスタートするそうです!

 

憧れられる丹後になっていく

最後に、Design Week Kyotoの北林様に
「ものづくりの現場をひらき、人の心をひらき、まちをクリエイティブにしていくオープンハウスの可能性~99年後の丹後へ向けて~」
というテーマでお話頂きました。

「Design Week Kyoto」はアメリカ・ポートランドの取り組みからヒントを受け
「京都をよりクリエイティブな街に」という想いから始まった、ものづくりの現場を開く、2016年から続く活動です。
開始当初は京都市・宇治市・亀岡市での開催でしたが、2021年、はじめて「Design Week Tango」も開催されました。

Design Week Tangoの目的は以下の通り。

①丹後のものづくり関係者が領域を超えてつながりあうきっかけ
②既存のビジネス領域を超えて、新しいビジネスにチャレンジしていく
③憧れられる丹後になっていくきっかけを創出する

大切なのは3点目で、いま現場で働いている人が楽しそう・輝いていれば、
その姿に子どもたちがあこがれを抱き、これからの100年を支える存在となる。
1・2点目は3点目への必須条件なのです。

2021年初開催「Design Week Tango」を初開催

昨年初めて開催された「Design Week Tango」は京丹後市より8社、与謝野町より13社が参加。
その領域は丹後ちりめん、町工場、家具製造など…多岐にわたりました。

各工場を開放していただいたとともに、ここATARIYAも開場になりました。

展示スペースとして、そしてオンライン配信会場として。
オンライン配信時はロンドンからニューヨークまで、山形から沖縄までご参加いただきました。
なんとオンライン配信を見た方が数日後実際に現場を訪れ、交流を深めるなんていう場面もあったそうです。

透明性と真正性が価値ある時代の中で

2100年には人口が半分、高齢化率40%と予測されています。
経済面に目を向ければ大企業/中小企業間で、規模によるコスト差が現れることは必須です。

各企業、業界、産業はブランディングを進めねばなりません。

これから成人をむかえていく世代は、エモーショナルなつながりを感じるブランドにロイヤリティの高い世代。
透明性と真正性…すなわち、
どんな人が・どんな想いで・どこで・どうやって、サービスや製品を生み出したか語れるかが重要なのです。

Design Week Kyoto、Tangoはオープンファクトリーという仕組みを使い「人」に会いに来てもらっています。

創造的なまちには3つのTが必要だと言われているそうです。
才能を持つ人材 Talent、技術やノウハウ Technology、そして寛容性 Tolerance。
完全に受け容れることが難しくても、否定せず「面白いな」「そんなんあんねんな」と思ってほしい、と訴えられていました。
(なんと、奇しくも来賓挨拶で与謝野町長 山添様が同じ言葉を引用していました!)

最後に、今後の展開についても触れていただきました。

まずは、ATARIYAのTANGO CELLARを活用したものづくりのアーカイブと発信から。
素材や技術の展示、映像コンテンツを使って来訪頂いた方にいつでも丹後エリアのものづくりに触れてもらえるように。

そしてATARIYAと京都市内を結んだオンラインの交流促進、
さらにはATARIYAを拠点として、丹後エリアの観光人口増加イベントなどの実施が必要とのこと。

「今度、遊びに行っていい?」
をキーワードに、肩肘を張らず、ちょっと覗いてみるから始めていきましょう!と語って頂きました。

〈 レポート前編はこちら 〉

Writer _ あさい
Photography _ デザイン室
・・・


【レポート・前編】「ATARIYA Tango Innovation Hub」 OPEN EVENT 

 

イベント内容

 

ATARIYA Tango Innovation Hub

2022年1月11日、火曜日。
ウエダ本社は、「ATARIYA Tango Innovation Hub」を与謝野町にオープンします。

自然や文化、食など、資源豊かな丹後エリア与謝野町に
これからの地域社会をつくっていくイノベーターやプレイヤーたちが交わる場、
旧料亭「當里家(あたりや)」に思い出のある地元の人々がつどい憩う場になっていくように。

まずは、のぞきにきてください。

イベント概要

「ATARIYA」 OPEN EVENT
於:ATARIYA 京都府与謝郡与謝野町岩滝1693

※レセプションイベントのみオンライン配信を行います
※新型コロナウイルス感染拡大状況等によってプログラム変更の可能性があります。ご容赦くださいませ。

2022年1月11日(火)13:00~15:00 【レセプションイベント】

※オンライン配信
-ウエダ本社代表 岡村よりご挨拶
-ゲスト講演
ソニーマーケティング株式会社 光成和真 氏
株式会社eumo 新井和宏 氏
一般社団法人Design Week Kyoto 北林功 氏
-ATARIYAに関して(仕組みなど)

2022年1月12日(水)・13日(木)・14日(金) 【内覧会】

-終日ATARIYAを開放しています、ご自由にお越しください。

 

レセプションイベントお申し込み

お申し込みはこちら

 

クラウドファウンディング挑戦中!

「与謝野町で親しまれた元料亭。沢山の人が集まり憩う丹後のハブにしたい」

この度、ATARIYAに少しでも関わったと思っていただく人を増やしたいと考え、
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目標金額:500万円
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